「M3GAN/ミーガン」の人形役は誰? どう撮影された?【ネタバレ解説】
映画「M3GAN/ミーガン」の不気味さの源泉となるAI人形・ミーガン。本記事では映画ライター/編集者のオビがその謎に迫り、ミーガン役を誰がどのように演じたのか、制作過程と舞台裏を詳細に解説します。
子役アミー・ドナルドのリアルな演技、革新的なアニマトロニクス、そして洗練されたCGI。どのように組み合わさり、この人形に視覚と聴覚の両面で完璧に生命を与えた、そのプロセスを探求します。さらに、ミーガンのデザインや声の元となったインスピレーションも明らかにします。
この記事を通じて、「M3GAN/ミーガン」の新たな視点を提供し、映画の再鑑賞に役立てられれば幸いです。
【「M3GAN/ミーガン」映画の概要】
本題の前に、今作の概要をおさらいしていきましょう。
●あらすじ
主人公ジェマは、おもちゃ会社でAI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発する研究者です。ミーガンは子どもにとって最高の友だち、親にとって最大の協力者となるようプログラムされています。
交通事故で両親を亡くした姪ケイディを引き取ることになったジェマは、ミーガンにケイディをあらゆる出来事から守るよう指示します。しかし、そのミーガンの愛情が行き過ぎてしまい、思わぬ事態を引き起こします。
●製作
「ソウ」シリーズのジェームズ・ワンと「パージ」シリーズのジェイソン・ブラムが製作を手がけています。彼らはホラー・スリラージャンルで数々の名作を生み出しており、その確かな手腕が「M3GAN ミーガン」にも反映されています。
>>地獄のようなセックスレス生活を漫画で読んでみる●脚本
脚本は「マリグナント 狂暴な悪夢」のアケラ・クーパーが担当しています。彼女の描く緻密なストーリー展開と、予想外の展開は観る者を引き込む力があります。
●キャスト
主人公のジェマを演じるのは「ゲット・アウト」のアリソン・ウィリアムズ、ケイディ役には「ブラック・ウィドウ」のバイオレット・マッグロウが抜擢されています。二人の女優の繊細な演技が映画の世界観を一層引き立てています。
【ミーガン(人形)を演じたのは誰?】
M3GANの役は、様々なパフォーマンスを組み合わせて演じられました。物理的な動きやスタントはアミー・ドナルドが担当し、M3GANのマスクを着用して撮影に臨みました。アミー・ドナルドは、ニュージーランド出身の子役(2010年1月生まれ)で、空手やバレエや体操が得意とのこと。劇中のアクロバティックなシーンも、自身で演じているそうです。
また、M3GANの声に関しては、2人の女性が関与しています。ニュージーランドの女優キンバリー・クロスマンが製作中にM3GANの一時的な声を提供し、その後、アメリカの女優・歌手のジェナ・デイビスの声がメインに追加されました。しかし、特にM3GANが怒っているシーンや口汚い言葉を使っているシーンでは、クロスマンの声も引き続き使用されている可能性があります。
また、人形の操作と表情の動きはなどはどのように表現されているのか? 以下に詳しく解説していきましょう。
【ミーガンはどうやって撮影された?】
ミーガンのキャラクターの撮影は、実際の女性のパフォーマンス、高度なアニマトロニクス(ロボット工学の一種)、そしてCGI(コンピュータ生成画像)の組み合わせを使用して実現されました。
●実際の動き:アミー・ドナルド
まず、物理的な動きが必要な場面には、アミー・ドナルドがミーガンの演技を担当しました。ドナルドはスタントもすべて自分で演じており、ミーガンの身体能力を表現するために、ジェド・ブロフィーとルーク・ホーカーから動きの指導を受けました。
撮影現場では、彼女はMorot FXによって作られた静的なシリコン製のミーガンのマスクを着用し、これは後にアニマトロニクス版のミーガンの顔と合わせるためにCGI版に置き換えられました。
>>地獄のようなセックスレス生活を漫画で読んでみる●アニマトロニクスを活用した場面も
そして、対話やクローズアップのシーンでは、アドリアン・モロットとキャシー・ツェーによるアニマトロニクス人形が使用されました。また、特定のシーンで使われた別のアニマトロニクスや、操作されないポーズ可能なスタントバージョンのミーガンも存在します。
アニマトロニクスのミーガンは、顔の表情を無線で制御したり(アドリアンとキャシーが一緒に行いました)、自動的に口パクを同期させたり(対話のための一時的なトラックは撮影中にニュージーランドの女優キンバリー・クロスマンが提供しました)、ミーガンの頭や体を物理的に動かすパペッティーアー(操り人形師)による操作など、さまざまな技術を使って操作されました。
●四足歩行のシーンに意外な意図
さらに、ブランドンを追いかけるシーンでは、M3GANが四足歩行するところが描かれています。これは、現実世界のロボット科学者が高速での二足歩行の再現にまだ苦労しているため、そのシーンを実現するための手法であったと思われます。
>>地獄のようなセックスレス生活を漫画で読んでみる●デジタル視覚効果による恐怖の強化
アミー・ドナルドの物理的なパフォーマンスは、ポストプロダクションでニュージーランドのVFXスタジオ、Weta FXによってデジタル視覚効果を使って強化されました。これは、M3GANの動きをよりリアルに、かつキャラクターが持つべき独特の性質に合わせて表現するための手段でした。
●デザインのインスピレーション
M3GANのデザインについて、監督のジェラルド・ジョンストンは「1950年代のスクリーンアイコン、オードリー・ヘプバーン、グレース・ケリー、キム・ノバクからインスピレーションを得た」と述べています。ただし、彼はミーガンの合成的な性質に対抗するために「70年代の自然主義を求めていたので、髪の毛は100%ペギー・リプトン(70年代のアイコン)」だとも語っています。
●ミーガンの声:クロスマンとデイビス
また、ミーガンのキャラクターの声は、製作中はキンバリー・クロスマンが担当し、後にジェナ・デイビスの声が追加されました。しかし、映画の中では特にミーガンが怒って下品な言葉を使う場面で、クロスマンの声がまだ使われているようです。
【まとめ】
これらの情報を総合すると、ミーガンのキャラクターの表現は、物理的なパフォーマンス、高度なアニマトロニクス、デジタル視覚効果、そしてプロフェッショナルな声の演技という複数の要素の組み合わせによって実現したことがわかります。
作品の裏側を知れば、また違った作品の意味や見え方が立ち現れてくるもの。この記事を最後まで読んでくれたあなたには、もう一度「M3GAN/ミーガン」を鑑賞してみることをおすすめします。
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都内在住のライター・編集者・映画評論家・マーケター。新卒で入社した広告会社を2年ほどで転職、現在は大手WEBメディアで活動中。好きな映画は、ベタに「エターナル・サンシャイン」「アベンジャーズ エンドゲーム」など。
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