「くまのプーさん」がなぜホラー化? 意外すぎる驚きの事実をネタバレ解説

2023年7月16日

 2023年6月23日(金)に公開された映画「プー あくまのくまさん」は、A・A・ミルンの愛らしい児童小説をベースにした作品。

 …ですが驚くべきことに、本作は実写版として、なおかつアクション/ホラー映画として制作されました。

 ここで、問題提起します。なぜよりにもよってホラーにしたのでしょうか? なぜ愛らしかったくまのプーさんが、血に飢えた野生の姿に変貌したのか? というかそもそも、あの超厳しいディズニーがそんなことを許したのか――。

 一見、極めて不自然に思えるこの現象の背後には、「パブリックドメイン」という概念が関与しています。

 本記事では映画ライターのオビが、「プー あくまのくまさん」における観客の疑問にお答えするとともに、知れば「そんなことある?」と驚くような意外な事実もご紹介。読めばきっと、「プー あくまのくまさん」が観たくなる…かもしれません。

【セクション1: 作品概要とあらすじ/予想外のプーさんの変貌】

●作品概要

 ディズニーによってアニメ化もされたA・A・ミルンの児童小説「くまのプーさん」を題材にしたホラー。クリストファー・ロビンに森に置き去りにされ、自ら食料を調達しなければならなくなったプーとピグレットが、残忍な人間狩りを行うさまが描かれる。

●あらすじ

 楽しい冒険に満ち溢れていた日々は終わりを迎え、青年になったクリストファー・ロビンは、大学進学のためプーとピグレットを森に残して旅立っていった。

 時が経ち、婚約者のメアリーとともに100エーカーの森に戻ってきたロビンは、そこで血に飢え野生化してしまったプーとピグレットの異様な姿を目の当たりにする。

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【セクション2: パブリックドメインとは?】

 パブリックドメインとは、著作権の期限が切れ、権利所有者が存在しなくなったものを指します。これにより、そのキャラクターは自由に使用することが許可されます。

 A・A・ミルンの児童小説「くまのプーさん」も、実はアメリカでは2022年に著作権の期限が切れ、パブリックドメインとなりました。このタイミングを逃さず、本作の監督リース・フレイク=ウォーターフィールド氏とプロデューサーは動き出し、この革新的な映画を製作したのです。

 著作権切れとなった「プーさん」を使って、今までにない新たな解釈を提供することで、視聴者に新鮮な驚きと恐怖を与えることを目指しました。これが「くまのプーさん」がホラー化した理由の一つです。

 ちなみに、「くまのプーさん」の著作権はアメリカでは2022年に失効しましたが、ヨーロッパでは2027年(A.A.ミルンの死後70年)まで存続します。そのため、ヨーロッパ諸国でこの映画を合法的に配給することは非常に難しいとされています。

【セクション3: 注意点→ディズニーのアニメ版の実写化ではない】

 ここで注意してほしいのは、著作権が切れたのは“原作”であり、あらゆる人が思い浮かべるディズニーのアニメ版はまだ著作権がバリバリいきています。

 つまり「プー あくまのくまさん」は、原作小説をもとにした作品である、ということです。ディズニーはノータッチなので、口出しすることができなかったというわけ。

 それゆえに、アニメ版の象徴的なデザインは使用せず、血みどろのあり得ない姿に変ぼうさせることで、製作陣は観客の注目を引こうと考えたのです。また、ティガーはもともとこの映画に登場する予定でしたが、ディズニーの著作権の関係で登場していません。

【セクション4: ディズニー以外では初の実写版 プーさんは中国では民主化デモの象徴】

 ちなみに、今作はディズニー以外で製作された“初の「くまのプーさん」の実写映画”でもあります。撮影期間はわずか10日で、そのクオリティの低さにも話題が集まりました。

 また、香港とマカオでは、公開2日前に映画館からこの作品が撤去。両都市の映画館チェーンは「技術的な理由」を原因としていましたが、「くまのプーさん」は、中国の習近平国家主席を嘲笑するキャラクターとして、ネットユーザーや香港の民主化デモで使用されてきたという背景があります。

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【セクション5: 続編も製作決定 そのほかの作品の“未来”も】

 映画の公開と共にその内容が世界中で注目を集め、すでに続編の製作も決定。日本でも2023年6月23日に公開され、スタジオジブリの鈴木敏夫氏が「こんなプーさん、見たくなかった。」とコメントを寄せたことでも話題となりました。

 パブリックドメインになったキャラクターを使った映画制作は、新たなエンターテイメントの形として注目を集めています。今後も、このようなパブリックドメインのキャラクターが新たな解釈で映像化される可能性があるのです。

 今作の日本での宣伝担当者があるインタビューで答えたところによると、「蒸気船ウィリー」(1928年)の白黒のミッキーマウスや、「バンビ」(1942年)がパブリックドメインになっているとのことで、これらのキャラクターが本作の続編で登場するという噂もあるようです。

 また、「アルプスの少女ハイジ」をR18+指定のエログロバイオレンスとして実写化した「マッド・ハイジ」が、2023年7月14日に日本公開されます。主人公は、アルプスに暮らす年頃の女性ハイジ。恋人のペーターが禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていた罪で処刑され、唯一の身寄りである祖父も山小屋ごと爆破されて殺されてしまいます。愛する者を失ったハイジは、復讐のために戦いに身を投じる……という物語です。

 ここまで書いてきてめまいがしてきたので、そろそろ記事を締めくくりましょう。

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【まとめ】

 「プー あくまのくまさん」は、既存のキャラクターを再解釈し、それに新たなストーリーを付与することで、視聴者に新たな体験を提供する試みとも言えます。パブリックドメインの利用によって、昔ながらのキャラクターが新たな姿を見せる可能性が広がり、その結果、くまのプーさんはホラー化しました。

 そして、これは単なる一例に過ぎません。著作権が切れたキャラクターを活用することで、エンターテイメントの新しい形が生まれています。映画「プー あくまのくまさん」は、その最初の一歩とも言えるでしょう。

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Posted by obi