【コメント全文】「ボヘミアン・ラプソディ」ラミ・マレックのスピーチ

2019年2月26日


/Getty Images

 第91回アカデミー賞が2月24日(現地時間)に発表され、「ボヘミアン・ラプソディ」が最多4部門を制覇して幕を閉じました。

 主演男優賞発表で待っていたのは、ラミ・マレックとルーシー・ボーイントンによる感動的なワンシーン。劇中でも、実際でも恋人同士の2人が2度キスをかわし、抱き合って喜びをわかちあいました。

 多様性が叫ばれ、それが一般的なものとして受け入れられ始めた現在。今回のアカデミー賞は、未来への大きな一歩を踏みしめたといっても過言ではありません。

 マレックによるスピーチは、そのことを強く象徴しているように感じました。以下が全文です。

全文


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 Oh my god. 信じられない。お母さん、愛しているよ。家族に感謝します。父はこの映画を見られなかったんですが、今の僕を見てくれていると思う。特別な瞬間です。この場に連れてきてくれた方々、あらゆる場面で僕に賭けてくれた皆さん、(プロデューサーの)グレアム・キング、デニス・オサリヴァン、(製作会社の)20世紀フォックスとニュー・リージェンシーの皆さん、本当にありがとう。皆さんに感謝しています。

 僕は、「この賞を受賞して当然」という役者ではないかもしない。だから、何とか上手くできたんだと思う。「クイーン」の皆さん、ありがとう。あなた方の本当に大きな伝説に、最も小さなパートかもしれないけれど、関わることができて光栄です。スタッフ、キャストの皆、大好きだ。僕よりも優秀な皆さんなくして、ここに立つことはできなかった

 もし子どもの自分に、「将来こんなことが起こるんだよ」と教えたら、カーリーヘアの僕は目を見開いて驚くことでしょう。アイデンティティに悩み、自分の声を見出そうと苦闘している人たちや、ゲイで、移民で、人生を自分らしく生きた人の映画になっていると思う。この物語を、今日皆さんと一緒に祝えることは、まさにこのような物語が求められていることの証左だと思います

 僕は、エジプトからの移民の子で、エジプト系アメリカ人です。この映画は、これ以上共感できないほど、僕自身の物語の一部なんです。僕を信じてくれたすべての人にお礼を言いたい。この瞬間を、一生大切にしていきます。ルーシー・ボーイントン。あなたは、この映画のハートであり、そして僕の心を奪った。

受賞の瞬間とスピーチ動画