「人生の代表作にするつもり」 佐藤健主演「るろうに剣心」6年ぶり続編が製作決定! 追憶編&人誅編描く
佐藤健が主演し、大友啓史監督がメガホンをとった実写「るろうに剣心」シリーズの約6年ぶりとなる続編が、2020年夏に2作連続公開されることが発表されました!
原作の人誅編と追憶編を描くとのこと。タイトルやキャスト、物語の詳細は不明ですが、武井咲さん、青木崇高さん、蒼井優さん、江口洋介さん、土屋太鳳さんらメインキャストは続投する可能性が高そうです。まずキャストのスケジュールをおさえ、製作に入るはずだからです。
佐藤さんは「みなさんに楽しんで頂ける作品になるように、自分にとって人生の代表作にするつもりで最後まで演じ切りたいと思います」と思いの丈を述べています。
以下、作品概要や佐藤さんと大友監督たちのコメントなどをご紹介していきます。
映画「るろうに剣心」とは
「週刊少年ジャンプ」で連載され、テレビアニメ化もされた和月伸宏氏の剣客漫画「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」を実写映画化。これまでシリーズ3作が製作・公開され、2012年の「るろうに剣心」は30.1億円、14年の「るろうに剣心 京都大火編」は52.2億円、同年の「るろうに剣心 伝説の最期編」は43.5億円と、累計125億円超の興行収入を叩き出しました。
ドニー・イェンともタッグを組む谷垣健治が手がけた、見たこともない超高速アクショ。NHK大河「龍馬伝」などの大友監督が創出する、エモーショナルな人間ドラマ。日本映画界に新風を吹き込んだ本シリーズは、日本のみならず北米、イギリス、香港、韓国、台湾、フィリピンなどヨーロッパ・アジア諸国を含む世界100カ国以上で配給、50以上の国際映画祭に出品されました。
“最終章”は「剣心にとって一番重要なエピソード」描く
激動の幕末を戦い抜いた伝説の男・緋村剣心。かつては“人斬り抜刀斎”と恐れられたが、新時代の幕開けとともに、斬れない刀=“逆刃刀”を持ち、大切な仲間たちと穏やかな生活を送っている。
今回の最終章では、これまで語られることのなかった剣心の“十字傷の謎”に迫る物語(追憶編)と、中国大陸の裏社会を牛耳る謎の武器商人であり、武器や軍艦を送り込み志々雄真実を操っていたシリーズ最恐の敵・縁(えにし)との戦い(人誅編)を、動乱の幕末期と明治維新後の新時代の2つの時代を通して描きます。
シリーズ1作目が製作された当時、22歳だった佐藤さんも、今年3月に30歳を迎えました。彼にとって代表的な作品であり、運命的な作品の最終章に挑むにあたり、「毎回どの作品も全力で演じていますが、『るろうに剣心』に関しては、やはり特別な思いがあります。また、この二部作は、剣心の十字傷の秘密(剣心の過去)を描いていることもあり、剣心にとって間違いなく一番重要なエピソードです」と明かし、「『京都大火編/伝説の最期編』を終えた時から、もしこの続編を作るとしたら一番難しいと感じていました。僕自身が絶対に作りたいと思っていたエピソードを撮影できる毎日を通して、これが自分にとってとても大切な作品になると実感しています」と話します。
大友監督も、「続編を製作するなら“絶対に前作を超えなければならない。新しく驚きに満ちた『るろうに剣心』でなければならない”と考えていました。『るろうに剣心』シリーズは、すべてのキャスト・スタッフがそれぞれレベルの高いところを目指し、日本映画というカテゴリーを取っ払うような、常に自らの限界を超えていく映画作りを目指しています。私たちは過去3作品を通して“誰も見たことのない日本映画”を作る大変さを実感していましたので、その挑戦がまた始まると強く感じました」とし、
「このシリーズには絶対に欠かせないエピソードであり、主人公<緋村剣心>の人間性に踏み込んでいくことになる頬の傷の話を描くにあたって、もう一度『るろうに剣心』と対峙することへの覚悟を問われる感じがしました」「今回描く物語は、ファンの方が一番大事にしているエピソードだと思いますし、初めて『るろうに剣心』を観る方にも届くような深い物語でもありますので、最終章は気合をいれ直し、いま全身全霊で挑んでいます」と覚悟を述べました。
2作連続公開ですが、エピソードがどのような順番で描かれるかは不明です。原作通りだとすれば、人誅編(前半)→追憶編→人誅編(後半)という流れですが、果たして。
前作公開から5年。なぜこのタイミングで製作?
前作から5年経過した今、なぜ製作が決まったのでしょうか? プロデューサーの小岩井宏悦氏は、こう説明します。
「この5年間は、前3作品を一緒に作った同じキャスト・スタッフを再集結し、前作を超えるシナリオと誰もが納得する新たなキャストを準備し、前作の苛酷な撮影を忘れるために必要な時間でした。アクションエンターテイメントとして圧倒的な進化を見せられると言うワクワク感はもちろん、物語としても、シリーズ初となるラブストーリーの要素も持った剣心の過去を描く十字傷のエピソード、また、剣心が人斬りだった自分の生き方に答えを見つけるエピソードは共に普遍的で、なおかつ今日的なテーマ性があり、これまでこのシリーズを支えてくれた観客のみなさん、そして、新たなお客さんのために絶対に作るべきだ、と超大作となる今回の2作の製作を決意しました」
これまでの撮影がとにかくきつかったから、ちょっと充電期間をおき、ふつふつと「撮りたい」という気持ちが湧くまで待った、というところですね。これでシリーズは5作となります。「男はつらいよ」などの長寿作品を除いて、日本映画界でこれだけ長く続く作品は、「るろうに剣心」のほかは思い当たりません。
また佐藤さんは、元号が平成から令和に変わるこのタイミングでの製作に、思うところがあるようです。「日本が新時代に入ります。そして30歳になり、僕自身も新しい時代に突入します。新しい時代を作るために、自分も生きていくということを、いま感じています」。
大友啓史監督も、「幕末や明治は多くの人にとってもはや遠い時代だと思いますが、そこで生きていた人間達の感情は同じであるはず。時代が大きく動くときは、人間の感情も大きく動く。だからこそ、そこに面白い物語が生まれます。幕末から明治へ時代が変わり、剣心が不器用ながらも新しい時代にふさわしい生き方を模索してくその姿は、時代を超えて現代の方にも共感してもらえると思います」と続けました。
撮影期間は7カ月! 平成と令和にまたがる撮影が進行中
佐藤さんや大友監督ら、シリーズお馴染みのスタッフが集結し、昨年11月からクランクイン。邦画としては超長い部類に入る、約7カ月間の撮影が進行中だそうです。ロケ場所は京都・奈良・滋賀・三重・兵庫・熊本・広島・栃木・埼玉・静岡など全国で。
大友監督の現場は、妥協を許さぬ“こだわりの塊”であり、細部にまで魂を込める長時間の撮影で知られていますから、今回も仕上がりに期待が持てそう。同監督はこれまでの撮影を振り返り、「過去シリーズの美しい記憶を汚さないように、これまでの『るろうに剣心』に負けないもの、そして他のアクションエンターテイメントとは一線を画すものを目指しています。自分達はそこを超えられているか、そこにたどり着くことができるのか、を問いながら日々撮影を行っています」と話しています。
また、大友監督は「“るろ剣クオリティ”を超えていくために、見たことのないアクション、幕末と明治という全く異なる2つの時代、剣心が背負ってきた深いドラマ、繊細なラブストーリーなど、多くの視点で大きな熱量を注いでいます。全員が『るろうに剣心』への想いが強くなっていますし、自分たちにできるベストなものを届けたいと思っています。健くんも多くの作品で経験してきたものをこの作品に捧げてくれています。皆さんに愛してもらえる作品に仕上がると思いますので、2020年夏を楽しみに待っていてください」と自信がにじみます。
そして佐藤さんは、クランクインした日に思いを馳せます。「クランクインの日は、久しぶりに剣心を演じること、大友組ならではの大規模撮影の雰囲気など、全てにおいてソワソワしていました(笑)。でも芝居が始まっていくうちに、「懐かしい」「帰ってきた」という感覚がとても強くなってきました。2020年、みなさんに楽しんで頂ける作品になるように、自分にとって人生の代表作にするつもりで最後まで演じ切りたいと思います」。
佐藤さんのこれまでの人生すべてが詰まった「るろうに剣心」最終章。劇場で見られる日が、待ち遠しいです。
都内在住のライター・編集者・映画評論家・マーケター。新卒で入社した広告会社を2年ほどで転職、現在は大手WEBメディアで活動中。好きな映画は、ベタに「エターナル・サンシャイン」「アベンジャーズ エンドゲーム」など。
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