新元号が“令和”に決まったことだし、平成最後の4月に公開されるオススメ映画の話をしよう【後編】
平成最後の2019年4月に公開されるオススメ映画をご紹介、その後編です。
今回は「シャザム!」「愛がなんだ」「アベンジャーズ エンドゲーム」などを紹介しています。
前編はこちら(https://sonotamo-zenbu.com/april-osusume-eiga/)
・シャザム!(4月19日公開)
「スーパーマン」や「バットマン」などで知られる“DCコミックス”のヒーローを映画化。見た目は大人、中身は子どもの異色ヒーロー、シャザムの活躍を独特のユーモアを交えて描き出しています。
全米のプレビューでも絶賛の嵐で、「死ぬほど笑える」などコメディ部分のクオリティがずば抜けているとのこと。シャザムを逆コナンと呼んだり、日本語版の演出を福田雄一監督、主演を菅田将暉さんに任せるなど、日本の映画ファンはワーナー・ブラザース・ジャパンの采配に憤ってはいますが、これはあれですよ、作品に罪はないですから。字幕版を見に行けばいいんですから。落ち着きましょうよ。
あと主演のザカリー・リーバイはめちゃくちゃ良い人で、ファンとの交流はたびたびニュースになっています。本当に良い人なので、以下の動画を見てください。「シャザム!」を見に行くのが確定する、心温まりまくる映像です。
オフィシャルサイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/shazam-movie/
・愛がなんだ(4月19日公開)
直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を映画化。28歳の女性会社員が、好きになってくれる確率0%の男性に一目惚れし、完全なる“一方通行の恋”に時に喜びながら、時に悩みながら身を投じていく様を描きます。監督は“ダメ恋愛映画”の名手と謳われる今泉力哉。
見どころはなんと言っても、キャストの演技力です。岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也の表現力はここまで高いレベルだったのかと驚嘆させられます。もうなんというか“上手い”としか言いようがなくて、彼女らの一挙手一投足にはとにかく“良さ”しか詰まっていないんです。
芝居にわざとらしさがあったり、ちょっとでも「そんなこといわねえよ」と思ってしまうクサいセリフがあると、「うわ、邦画の悪いところ出てる」と引いちゃうじゃないですか。でも、この映画にはそれが一切ないんですよ。嘘くささがなくて、本当のことしか表れていないというか。“生命のぬくもり”なんていいものではなくて、生きているからこそ出てしまう“ぬめり”みたいなものが、芝居に乗っかっているというか。
キャストは説明的な言葉は口にしない。かといって、安直に表情に出すわけでもない。直情的な思わず“口をついて出た”みたいな生々しいセリフと、雰囲気とシチュエーションで心情を表現していく。上映されている2時間ずっと、演技のクオリティを見て幸せになって、そこにずっと浸っていたいような、そんな時間が流れるんです。「邦画は地味でつまらない」と思っている“あなた”に、このすごさをぜひ味わって欲しくて。この作品は確かに地味だし、物語もはっきり言うとしょうもない若者たちがしょうもない恋愛繰り広げて、だけどどうしようもなく切なくて、悲しくて、だから幸せになりたい思いを恥ずかしげもなくさらけ出しちゃっているんだけど、それでも「愛がなんだ(それに何の価値があるんだ)」って強がりなのかやけっぱちなのか本人もよくわかっていない感情がこぼれ出てきてしまう、そういう良さを感じて欲しいんです。
オフィシャルサイト:http://aigananda.com/
・108時間(4月19日公開)
この作品はあらすじだけ見て、一瞬で「気になる」と引き込まれてしまいました。役作りのため108時間起き続けた女優を待ち受ける恐怖を描いたサスペンススリラー。
ある劇団が新作舞台の準備をするため、現在は廃屋となっている精神病院にやって来る。その舞台は昔の前衛的な演劇グループが創作したもので、108時間眠らずにいた女性の悲劇を描くものだった。演出家アルマは役者たちに実際に眠らずに過ごさせ、登場人物の心理に近づくよう求める。主演の座を狙うビアンカはライバルたちとともに不眠に挑むが、幻覚や不可解な出来事が続き心身ともに追い詰められていく。さらに、演じる役柄の女性について調べてみると、108時間起き続けた直後に異常をきたしていたことが判明。恐怖を感じ諦めようとするビアンカだったが、目標の108時間はすぐそこまで迫っていた。
映画.comより
「IT」「ヘレディタリー」「クワイエット・プレイス」「バード・ボックス」「サスペリア」「アンフレンデッド」など、ひと味もふた味も違ったホラー、スリラー映画が生まれ続ける現在においても、かなり興味深いあらすじです。監督は、長編デビュー作のワンショットPOVスリラー「SHOT ショット」が世界的評価を受けた新鋭グスタボ・エルナンデス。「サイレント・ハウス」のタイトルでハリウッドリメイクもされています。
劇場で公開されるわけではなく、ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映されます。チケットなどは公式サイトで販売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
オフィシャルサイト:https://aoyama-theater.jp/feature/mitaiken2019
・パパは奮闘中!(4月27日公開)
仕事と育児に追われる父親の奮闘の日々と、子どもたちとの絆を描いたドラマ。フランスの人気俳優ロマン・デュリスの主演最新作でもあります。「ムード・インディゴ うたかたの日々」がすごく好きで好きで……。
愛する妻が姿を消し、2人の子どもたちとともに取り残されたオリビエは、忙しい仕事のかたわら、慣れない子どもたちの世話に追われる。理由が分からないまま妻を探し続けるオリビエのもとに、フランス北部のカレーから1通のハガキが届く。
父親の育児参加率が、世界でもトップクラスに低い日本。育児ノイローゼの母が、三つ子の次男を殺害してしまう事件も起こりました。社会やコミュニティ、子育てのあり方が議論されるべき現在、今作が持つ意義は非常に大きいと思います。
オフィシャルサイト:http://www.cetera.co.jp/funto/
・カンパイ!日本酒に恋した女たち(4月27日公開)
日本酒に魅せられた人々を描いた「カンパイ!世界が恋する日本酒」に続く、ドキュメンタリー第2弾。前回は「海外における日本酒」をテーマに3人の男性を中心に据えていましたが、今回は“女性”という角度から、かつては女人禁制だった日本酒という文化を追っています。
監督は小西未来。ゴールデングローブ賞を選考する、ハリウッド外国人記者クラブ所属のジャーナリストでもあるだけに、インタビューの面白さには目を見張ります。「ドキュメンタリーはあまり見ない」という方はもったいない。上映館もYEBISU GARDEN CINEMAですから、おしゃれな空間で素敵な映画体験を楽しんでほしいです。
オフィシャルサイト:http://kampaimovie.com/
・アベンジャーズ エンドゲーム(4月26日公開)
4月の注目作と言ったら、もうこれが最大の目玉でしょう。世界中がその物語の行方を注視しています。誕生から10年を迎えたマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成。結末を見届けるまで、死んでも死にきれません。
前作「インフィニティ・ウォー」の死ぬほど悲劇的な結末の後、アベンジャーズや地球はどのように立ち上がるのか? いかにしてサノスを打倒するのか? 塵となって消えてしまった人々はもとに戻るのか? ドクター・ストレンジが示唆した1000万分の1以下の確率である逆転劇はあり得るのか?
映像やポスターが解禁されるたび、世界中のファンが歓喜の雄叫びを上げ続けます。アメリカでは公開初日の前売りチケットが発売後6時間で完売。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の売上を超え、歴代1位となる記録的な数字を叩き出しました。
もはや世界的なイベントと化した「アベンジャーズ」シリーズ。ネタバレを食らったら悲惨ですから、封切り後、一刻も早く劇場に行きましょう。
オフィシャルサイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
都内在住のライター・編集者・映画評論家・マーケター。新卒で入社した広告会社を2年ほどで転職、現在は大手WEBメディアで活動中。好きな映画は、ベタに「エターナル・サンシャイン」「アベンジャーズ エンドゲーム」など。
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